市場キーマンたちの相場観
キーマンの相場観が割れている
2008年9月15日のリーマンショックからもうすぐ丸10年。危機以降の復興から現在に至る景気拡大局面も長期の部類に入ってきている。
2018年も後半になり新興国を中心に弱気相場入りの動きも出てきているが、世界のマーケットの中心である米国株式市場が現時点ではまだ強い。はたしてこの強気相場がいつまで続くのか、マーケットで発言権をもつキーマンの間でも見方が分かれている。
強気派
まずは、強気派から。
代表格は、JPモルガントップのジェイミー・ダイモン氏だろう。
また、独アリアンツのモハメド・エラリアン氏も米国市場には強気の見方をしている。
弱気派
一方、弱気派のキーマンは著名ヘッジファンドを率いる面々が目立つ。
年初の急落を言い当てたガンドラック氏は、市況を慎重に観察しつつも基本的に弱気の姿勢を通している。最近になって米国債ショートのカバーの動きによる長期債価格の急騰(利回りの急落)の懸念を発信しているが、いずれにせよ強気相場はじきに終わるとの警告を維持している。
また、世界最大のヘッジファンドの創設者であるレイ・ダリオ氏も、2018年2月から一転して弱気の見方に変わった。最新の発信では「リセッションまであと2年」と読み取られているが、市場が景気に先行するとはいえやや猶予期間がのびた印象はある。
金融機関の関係者の中にはポジション・トークも多いため気をつけねばならないが、一方でキーマンたちの姿勢は市場参加者にも少なからず影響する。政治的な混乱で不透明感が増す中でマーケットが今後どのような動きを見せるか、引き続き注目したい。