投資の旅行記

投資(資産運用)は旅のようなもの。「旅としての投資」を通じて、日々感じたことや考えたことを記していく個人的な「旅行記」ブログ。

連日の不祥事ニュースの背後にあるもの

ガバナンス欠落による不祥事のニュースは何を表しているのか?

最近、不祥事のニュースが続いている。特にガバナンス欠如が露呈したケースが多い。 

「忖度」によって一線を越え捏造や汚職へと走った役所/官僚、営業数字達成のために不正融資に手を染めた地方銀行、過去からの悪しき慣習により顧客に過請求をし続けた運送業者、集中した権力の暴走を止められず自浄作用が崩壊したスポーツ団体―。 

いずれも、第三者から見れば「なぜ、そんなことを?」と目を疑うような事態だが、おそらく現場ではそうした「客観的に見た正しさ」が議論される余地はなかったのだろう。

個々の不祥事については、それぞれが被害者に対して真摯に対応し、抜本的な体制見直し含む再発防止策を講じていく他ない。ただ興味深いのは、こうした不祥事が特定の期間に集中的に顕在化し、世間を賑わせている現状だ。

おそらくこれらの不祥事は最近始まったものではなく、随分と前から横行していたのだろう。それが、このたび氷山の一角として一斉に露呈し始めた。国にしろ民間にしろ、現時点ではどちらかと言うと「二軍/第二線」的な層にとどまっているが、おそらくこれから閣僚や有名大手企業、巨大団体へとその波が波及していくようにも思える。では、こうしたトレンドは何を表しているのだろうか。

 

時代の「潮目」が変わってきた?

マスコミの矛先(裏を返せば国民の注目)が変わってきたということもあるのかもしれない。また、インターネットの浸透によって従来よりも内部情報が表に出やすい環境になってきたことも関係している可能性もある。ただ、個人的にはこうした動きは、ある種の時代の「潮目」が変わってきている表れと見える。そしてその潮目とは、ここ数年続いていた(見た目上の)「好景気」の崩壊トレンドというような気がしている。

思えばバブル末期も、こうした不祥事がニュースを賑わせた。末期と言うよりも、崩壊開始直後も含めた方が実態的かもしれない。いずれにせよ、それまで熱狂が包み込んでいた世界から徐々に潮が引き始めた時、それまでは顕在化していなかった様々な不正や不備が姿を表し始める。人間社会とはそういうものなのだろう。

賢人ウォーレン・バフェットは、「潮が引いて初めて、誰が裸で泳いでいたのかがわかる」という言葉を残している。マーケットについての発言ではあるが、これは経済・社会全体にも当てはまるように思う。

2008年の金融危機から10年。「This time is different.(今回は違う)」は実現するのだろうか。それとも人間社会は同じことを繰り返すのだろうか。